久々の投稿になりますが、訃報です。
19世紀前半の都市労働民衆史と先住民史で活躍された鵜月裕典さんがご逝去されたとのことです。ご冥福をお祈りします。鵜月さんの書かれた論文は、緻密で、実証的で、テーマも鋭利で、冷静だけど感情が込められているような研究で、私の世代にとっては最大の憧れの一人です。最初の論文「フィラデルフィア1844年暴動の歴史的意義」が出た時は、若手の論文なのに研究室がどよめいていたのを思い出します。その後に研究対象を移された先住民研究も、大きく分野を変え、また心に刺さるようなご論考でした。難病を患われているとは知っていましたが、残念でなりません。しかしご研究は、今でも初期アメリカ史にとって啓発的で励みとなる作品だと思います。ぜひこの機にご研究が読まれることを期待します。
『不実な父親・抗う子供たち:19世紀アメリカによる強制移住政策とインディアン』http://www.bokutakusha.com/books/2007/4.html
(森)
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